ノートン・サイモン美術館について
ノートン・サイモン美術館は、カリフォルニア州パサデナの中心部にある美術館です。ヨーロッパやアジアの美術、現代作品を所蔵し、教育や文化交流の場としても活動しています。創設者の産業家ノートン・サイモン(1907〜1993)のビジョンは、優れたアートを一般に公開し、その理解と評価を促すことでした。
歴史
ノートン・サイモンがアート収集を始めたのは、ハント・フード・アンド・インダストリーズの事業が繁栄していた1950年代です。当初は印象派に強く惹かれていましたが、コレクションはやがて多様な時代や様式に広がり、世界有数のプライベートアートコレクションの一つとなりました。
1969年、拡大を続けるコレクションはパサデナに公共の拠点を得ました。経済的に苦境にあったパサデナ美術館は、経済的支援とコレクションの貸与を条件に、理事会の運営権をめぐる交渉をサイモンに提案しました。サイモンはこれを受け入れ、美術館は1974年にノートン・サイモン美術館へと改称されました。美術館の正式な設立も1974年とされています。
サイモンの指導のもと、建築家ラッド&ケルシーが美術館を再設計しました。同事務所は現代アートスペースの設計で知られ、改修後の空間は優雅さと機能性を兼ね備えたものとなりました。1970年代から1980年代にかけて、サイモンはレンブラント、ドガ、ゴッホらの作品を加え、コレクションをさらに充実させました。
1993年にサイモンが亡くなった後は、ノートン・サイモン財団が美術館の運営を引き継ぎました。財団は、コレクションの保存、展示、解釈を通じてサイモンのビジョンを将来の世代へ伝えることに取り組んでいます。
訪問案内の一つには、美術館が20世紀初頭に由来し、サイモンの多様な関心や収集活動を反映しているとの記載もあります。
コレクションと見どころ
ヨーロッパの美術
14〜17世紀の古典絵画
イタリア・ルネッサンスのコレクションには、フラ・アンジェリコ、ボッティチェリ、ジョバンニ・ベッリーニの作品があります。ベッリーニの「聖母子と聖人たち」は、鮮やかな色彩と細やかな描写で知られています。
北方ルネッサンスの作品には、ヤン・ファン・エイク、ハンス・メムリンク、ルーカス・クラナッハ父らの作品が含まれます。デューラーの「マドンナと子供」は、小品ながら技術の高さを示すエングレービングです。
バロック美術では、ペーテル・パウル・ルーベンス、フランス・ハルス、レンブラント・ファン・レインの作品を所蔵しています。レンブラントの「少年の肖像」は、光と影の表現を味わえる作品です。
18〜19世紀の美術
18世紀の絵画には、ジャン=オノレ・フラゴナール、フランソワ・ブーシェ、トーマス・ゲインズバラの作品があります。フラゴナールの「出会い」は、華やかな筆致とロマンチックな主題をもつロココ絵画です。
印象派・ポスト印象派のコレクションでは、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、エドガー・ドガ、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・セザンヌの作品を鑑賞できます。代表作には、ゴッホの「医者ガシェの肖像」とセザンヌの「ビビュム石切場から見たモン・サント=ヴィクトワール」があります。
この時期の彫刻作品には、オーギュスト・ロダン、エドガー・ドガ、アンリ・マティスの作品が含まれます。ロダンの「考える人」も所蔵されています。
20世紀の現代美術
初期モダニズムのコレクションは、パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、ジョルジュ・ブラック、ジョアン・ミロの作品を通して現代美術の発展をたどります。ピカソの「本を持つ女」は、キュビスム様式の作例です。
シュルレアリスムの作品には、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリット、マックス・エルンストが含まれます。マグリットの「空白の署名」は、認識と現実を探る作品です。
戦後美術では、ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ、バーネット・ニューマン、ジャスパー・ジョーンズの作品を所蔵しています。ポロックの「No. 1, 1949」は、ドリップ技法の例です。
アジアの美術
南アジアのコレクションには、1世紀から19世紀にかけて制作されたインドの彫刻が豊富に含まれています。石や青銅など、さまざまな素材による作品が、異なる時代や様式を示しています。
東南アジアの美術では、カンボジア、タイ、ベトナムなどの芸術的伝統を紹介しています。彫刻、テキスタイル、儀式用の品々が、地域の文化遺産を反映しています。
特別展示、庭園、写真スポット
常設コレクションに加え、年間を通して特別展示が開催されます。他の機関から借り受けた作品が展示されることもあり、芸術運動やテーマ、歴史的時代を取り上げます。展示の予定は美術館のウェブサイトで確認できます。
美術館には彫刻庭園と静かなスイレン池があり、写真スポットとしても紹介されています。庭園には水の要素や小道があり、彫刻が配置されています。また、ロダンやヘンリー・ムーアらの彫刻を鑑賞できます。
訪問情報
営業時間と入場料
営業時間については、案内に午後5時までと午後6時までの両方の記載があります。共通している開館日は水曜日から月曜日までで、火曜日は休館です。別の案内では、感謝祭、クリスマス、元日も休館とされています。特別な祝日営業時間が適用される場合があります。
入場料は次のとおりです。
- 大人:15ドル
- シニア(62歳以上):12ドル
- 学生:12ドルとの記載があります。一方、有効なIDを持つ学生は無料との記載もあります。
- 現役軍人:無料
- メンバー:無料
- 18歳未満:無料
無料入場時間は、毎週金曜日の午後5時から午後8時までとする案内と、毎月第一金曜日の午後5時から午後8時までとする案内があります。いずれも、対象時間中は全訪問者が無料です。
チケットは美術館のウェブサイトから事前にオンライン購入できるほか、入口でも購入できます。
住所とアクセス
住所は、411 W. Colorado Blvd., Pasadena, CA 91105です。表記によっては「411 West Colorado Boulevard, Pasadena, California 91105」とされています。
メトロL(ゴールド)ラインのメモリアルパーク駅から徒歩圏内で、公共交通機関でアクセスできます。美術館の駐車場には、訪問者向けの無料駐車スペースが十分にあります。
バリアフリー設備
美術館は障害のある訪問者も利用でき、スロープとエレベーターを備えています。車椅子は入口で無料貸し出しを受けられるほか、リクエストに応じて利用できます。バリアフリー対応トイレはメインレベルにあり、講堂では補助リスニングデバイスを利用できます。サービス動物も館内に入れます。
ツアーとイベント
無料のドーセントによる公開ツアーは毎日午後1時に行われ、コレクションや特別展示の概要を紹介します。特定の関心や年齢層に合わせたプライベートグループツアーは、事前に手配できます。オーディオガイドは入口でレンタルでき、選ばれた作品について解説を聞けます。
講演会、ワークショップ、家族向けプログラムなどの特別イベントも定期的に開催されます。イベントカレンダーと展示の最新情報は、美術館のウェブサイトで確認できます。
食事とショップ
ガーデンカフェでは、カジュアルなランチや軽食を楽しめます。季節に応じたサンドイッチ、サラダ、ペストリーを提供し、静かな彫刻庭園を見渡せます。別の案内では、館内に軽食と飲み物を提供するカフェがあるとされています。
美術館ストアでは、アート書籍、印刷物、ギフトなどを販売しています。美術館のコレクションに着想を得た品も取り扱っています。
家族向けの設備とプログラム
ファミリーアートパックは無料で借りられ、コレクションに着想を得たアクティビティやゲームが入っています。美術館ではアート制作ワークショップ、ストーリーテリング、家族向けツアーなどを定期的に開催しています。ベビーカーも館内で利用できます。
連絡先と最新情報
- ウェブサイト:https://www.nortonsimon.org/
- 電話:(626) 449-6840
- メール:[email protected]
最新のニュースやイベント情報は、美術館の公式ウェブサイトやソーシャルメディアで確認できます。関連する文化施設やイベントの情報を得る手段として、モバイルアプリAudialaも案内されています。
訪問のヒント
- コレクションをじっくり楽しむには、最低でも2時間を見込む案内があります。
- 訪問前に館内のレイアウトやコレクションの見どころを確認しておくと、時間を使いやすくなります。
- 特別展示の予定は、美術館のウェブサイトで確認できます。
- 作品のラベルを読んだり、ツアーに参加したり、オーディオガイドを利用したりすると、作品について詳しい解説を得られます。
- 永続的コレクションのギャラリーでは、個人使用の写真撮影が許可されています。フラッシュ撮影とセルフィースティックは禁止です。撮影できるのは特定のエリアに限るとの案内もあるため、詳細は美術館の写真撮影ポリシーで確認できます。
近隣の観光スポット
- ガンブル・ハウスパサデナの歴史的なスポットの一つです。
- パサデナ歴史博物館近隣の歴史的施設として紹介されています。
- アーリントンガーデン休憩に立ち寄れる近隣の庭園です。
- ハンティントンライブラリー、美術館、植物園車で少しの距離にあり、アート、文学、庭園を楽しめます。
- オールド・パサデナ歴史的な建物、ショップ、飲食店があります。
よくある質問(FAQ)
美術館には駐車場がありますか?
はい。訪問者向けの無料駐車場があります。
館内で食事はできますか?
はい。ガーデンカフェでは、軽食や飲み物、季節のサンドイッチ、サラダ、ペストリーを提供しています。
美術館内で写真を撮れますか?
個人使用の写真撮影が許可されているエリアがあります。永続的コレクションのギャラリーで撮影できるとの案内がある一方、フラッシュ撮影とセルフィースティックは禁止です。詳細は美術館の写真撮影ポリシーを確認してください。
ガイドツアーはありますか?
はい。無料の公開ツアーは毎日午後1時に行われます。プライベートグループツアーは事前手配が可能で、オーディオガイドも入口でレンタルできます。
特別イベントは開催されますか?
はい。講演会、ワークショップ、家族向けプログラムなどが定期的に開催されます。